2014年06月04日

全国水道企業団協議会総会の報告(視察)

総会が終わり、二日目は
岡山県南部水道企業団の西阿知浄水場と
水島工業地帯にある三菱自動車の水島製作所の視察でした。


(写真:西阿知浄水場の航空写真)

西阿知浄水場は、岡山県西部を流れる高梁川から取水
日量122,000m3の送水能力をもつ浄水場ですが
特徴的なのは3つの浄水処理方法を備えているところです。

1つめは、東部水道企業団と同じように河川水を取水し
PACと言う凝集剤を混ぜて不純物を沈殿させ「ろ過」を行う
急速ろ過方式

2つめは、同じく河川水を広い面積の砂ろ過池で
生物の力を借りてゆっくりと「ろ過」する緩速ろ過方式

3つめが、伏流水取水という
恵まれた条件がないとなかなかできない方式で
河川敷に井戸や穴の開いたパイプを埋め、それから出てくる水を
直接取水し、塩素滅菌のみで配水する方式で
一番低コストでエコなろ過方式です。


(イラスト:岡山県南部水道企業団の浄水施設フローシート)

また、この浄水場では「ろ過」で発生する汚泥を
園芸や農業用に積極的に活用してもらうため

通常の水分を除いた脱水ケーキを小さい粒状にして
灯油ボイラーでさらに乾燥させ、1トン当たり2,100円で
販売されているとのことでした。


(写真:汚泥の処理加工施設)


(写真:汚泥の水分を除いた状態の脱水ケーキ)


(写真:さらに乾燥させ、小さい粒状に加工した状態)


(チラシ:商品を紹介するためのチラシ)

西阿知浄水場を後にし
三菱自動車工業(株)の水島製作所を訪れました。


(写真:三菱自動車工業(株)の水島製作所)

この工場は
戦時中「三菱重工業(株)水島航空機製作所」として
有名なゼロ戦等を作っていた工場で

広大な敷地でエンジンからボディまで一貫生産している
三菱でも珍しい工場であるとのことでした。


(図:航空写真を利用した敷地案内図)


(写真:航空機製作所の時代に製造されていた飛行機の模型)

また、先ほど見学した西阿知浄水場は
もともとこの工場のために作られた民営の浄水場で
それを戦後、市が買い上げて市営の浄水場として
運営を始めたという過去があるそうです。

工場の中は残念ながら撮影禁止でしたので
言葉での表現になりますが

 最初にボディを溶接する工程を見学するため
 アクリル板など安全に対する措置はしてありますが
 保護メガネを渡されそれをつけての見学になります。

 見学者用にコースを決めてあり
 最初にボディの溶接をしている所を見学しましたが
 この作業の90%は無人化されており

 建設現場で見る中型バックホークラスのロボットが
 何台も並び、複雑な動きをしながら
 溶接の火花が飛び散る様子は圧巻です。

 また、見学者用通路の脇を
 無人の部品搬送用トレーラーが
 警報代わりのメロディを流しながら動き回っています。

 車の内装の部分は人の手で取り付けられており
 ラインを流れてくる自動車に
 70秒の間に自分の受け持ちの部品を取り付ける作業を
 多くの人が繰り返し作業されていました。

 現在1日1,200台の車が生産されているそうです。


(写真:第二次大戦後製造の軽オート三輪)


(写真:手前から コルト、ミニカ、ランサーエボリューション)

約80分の見学コースでしたが
日ごろ目にすることのない工場で
大変興味深く見学させてもらいました。
  


Posted by 佐賀東部水道企業団  at 10:00企業団ニュース