2013年01月11日

「筑後大堰」の工事現場見学会

現在、筑後大堰では調整ゲート設備の整備補修、
堰の制御設備の更新工事が行われています。

筑後大堰は、筑後川の下流に設置された可動堰で
(独)水資源機構にて維持・運転管理が行われている
治水及び利水の要となる施設です。

今回、工事期間中に現場見学会が開催されましたので
参加した職員からの報告を紹介します。

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「筑後大堰」の工事現場見学会
(写真:工事前の「筑後大堰」
     通常、ゲート(堰)部は水中にあり見えません)

見学に入る前に
大堰の建設目的について事前説明がありました。

【1】洪水疎通機能の確保
 以前は上鶴固定堰があり
 昭和28年の水害で大きな被害が出た。
 
 筑後大堰ができ、川底の掘削、堤防の補強で
 通水断面も広くなり、洪水時でも9,000m3/秒まで
 流すことができるようになった。
 
 今年の7月中旬の大雨でも、最大5,400m3/秒であったから
 まだ余裕があったと言える。

【2】取水位の安定
 筑後川の水位を保つことができ、新規水道用水等の
 利水の安定確保が可能となった。

【3】塩害の防除
 大潮等で遡上していた塩分(海水)を、大堰で
 食い止めることが可能となった。
 
 そのため、以前は塩分濃度を気にしながら田んぼに
 水を取り入れなければならなかったが、その心配が
 なくなった。

大堰の建設目的や今回工事の内容説明後
現場に場所を移し、見学会となりました。

「筑後大堰」の工事現場見学会
(写真:覆いをかけられた部分が
     整備補修を行うため水上に上げられたゲート(堰)部)

「筑後大堰」の工事現場見学会
(写真:ゲート(堰)の内部も見学しました)

(独)水資源機構の方も、工事を担当しない限りは
なかなか見る機会が無いというゲートの内部を見ました。

意外にも内部は殆ど損傷しておらず
ただ電気防食用の陽極がいくつか脱落、消耗していたので
塗装と同時に修復するとのことでした。

「筑後大堰」の工事現場見学会
(写真:ゲート(堰)の巻き上げ機室の様子)

災害時に停電すれば、管理所に設置した大型発電機を稼働
また、それが故障すればゲート(堰)を上下することができなく
なるため、現地の巻き上げ機室にあるエンジンを使って作動させる。

「筑後大堰」の工事現場見学会
(写真:筑後大堰管理所の操作室を見学)

大堰の管理室と現場をつなぐ回線を
新しい光ケーブルに更新したため、雷による障害が激減。

制御設備・通信設備は
以前の基盤中心の設備からパソコン系の設備に切り替わった。

以前の設備は壊れにくかったが、交換用の基盤も高額
今回の設備は、以前より格安となり
トラブルについては2重化するなどで対策をとっている。


今回の見学を通して
水源施設の重要性を改めて再認識することができました。

通常では見る事が出来ない施設を見学でき
貴重な体験となりました。

見学会を開催いただいた(独)水資源機構の皆様
ありがとうございました。


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Posted by 佐賀東部水道企業団  at 10:00 │企業団ニュース